題名 | レビュー | 星の数 |
ニュー・シネマ・パラダイス | 映画が好きで良かったと実感させてくれる映画。縦糸(映画)と横糸(恋)が絶妙のバランスで織り込まれています。私は窓辺の植木鉢が海風に吹かれているオープニングのシーンが大好きです。でも完全版は先に観ないほうが良いかも。いやらしい現実を突きつけられたような気がしてラストシーンの感動が薄れてしまいます。 | ★★★★★★★ |
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメ ・・ | | ★★★★★★★ |
レイダース 失われたアーク(聖櫃) | 冒険活劇として最高傑作。やられてもやられてもへこたれないインディが、智略を巡らせてナチスに立ち向かっていく姿が印象的です。ご都合主義的な展開の部分があっても、この映画に関しては何でも許されるという感じでした。ラストのアークの解釈も意表を衝いたという点でなかなか面白かったと思います。 | ★★★★★★★ |
地獄の黙示録 | 戦争映画というよりはこれはもはや宗教・哲学の域。表現方法が粗っぽい部分もありますが、ベトナム戦争を経験していない人にもその恐怖や狂気がわかります。そして単にそれだけにとどまらず、避けられない恐怖に接したときに人間が見せる自己防衛本能に根ざした別の精神世界にまで昇華させています。う〜ん、やはり誰が何と言おうとコッポラの傑作です。 | ★★★★★★★ |
ゴッドファーザー PART II | 父を尊敬し、父と同じように人から尊敬を受け、さらには父を超えるゴッドファーザーになりたいと思って行動しつつも、父とは全く反対に家庭は崩壊し孤独感を募らせていくマイケル。何がそのように歯車を狂わせたのかも明確にはわからない。ギャング映画という枠を超えて人間なら誰しも持つ孤独や苦悩を見せてくれました。私にとって人生の教科書的傑作。 | ★★★★★★★ |
スティング | 完璧!スカッと見事な騙されっぷりでした。軽快でいてちょっと切なさも混じる音楽もこの映画にピッタリです。個人的には列車の中でポーカーをするポール・ニューマンの演技が一番好きですねえ。 | ★★★★★★★ |
ミツバチのささやき | ストーリーはあります。でも説明的な台詞やナレーションはありません。あるのは、少女の囁き、自然や日常生活の物音、スペインの片田舎の風景・・・こういったものだけです。現実と幻想の区別が曖昧な少女アナ。彼女の無垢な黒い瞳を見ていると、カサカサに乾いた自分の心がしっとり潤ってくるような、そんな気分にさせてくれるすばらしい映画でした。 | ★★★★★★★ |
2001年宇宙の旅 | この映画はまさに哲学書。別に理解できなくてもいいんです。私もできません。でもこの映画が提起している、物を認識するとはどういうことか?考えるとはどういうことか?生命とは何なのか?宇宙とは何なのか?というような明確な答えを出せない疑問に想いを馳せればいいんです。小さい子には無理でしょうが、大人にとっては本当に奥行きの深い映画です。 | ★★★★★★★ |
大脱走 | | ★★★★★★★ |
太陽がいっぱい | この映画を観て地中海に憧れました。波に揺られているような甘く切ない音楽もいいです。ところで、トムとフィリップは実はホモの関係だったという見方もできなくはないと思いません。2度目に観たときにそう感じました。あの強烈な憎悪とか成りすまし願望はただの主従関係だけからは生まれて来ないのではないかと。 | ★★★★★★★ |
北北西に進路を取れ | ヒッチコックの作品の中でも3本の指に入ります。事件に巻き込まれるときの自然な流れもいいですが、オークション会場で敵の包囲網を逃れる機転も大好きです。サザビーとかでアレをやるとこっぴどく怒られるだろうなと。 | ★★★★★★★ |
ローマの休日 | 何度観てもラストで泣いてしまいます。「王女」という立場は我々のような下々の者には想像もつきませんが、それでも王女に感情移入ができてしまうところがウィリアム・ワイラーのうまさなのでしょう。ハッピーエンドともとれるしハッピーエンドでないともとれるという解釈・受け止め方の間口の広い映画です。ちなみに私はハッピーエンドだと思います。 | ★★★★★★★ |
たそがれ清兵衛 | | ★★★★★★ |
ターミネーター2 | エイリアン2もそうですが、J・キャメロン監督は続編を作るのがうまいです。前作を受け継ぎつつも前作とは違った味わいの作品、しかも、前作に負けない面白い作品に仕上げてくれます。恐怖と悲壮感が漂う前作とは異なり、本作はアクションと友情の物語。見ごたえ十分でした。 | ★★★★★★ |
フィールド・オブ・ドリームス | 野球を愛する者に捧げる野球讃歌かと思って見てました。ところがそれだけではなかったんですねぇ。野球王国・四国で生まれ、物心ついた頃からグローブとボールに馴染んでいた私にとってキャッチボールにはいろいろな想い出があります。その想い出がラストで一気にこみ上げてきて、エンディングのタイトルロールが終わっても涙が全く止まりませんでした。バート・ランカスターの演技も涙モンです。 | ★★★★★★ |
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 | ストーリーはレイダース同様に非常に面白いです。またインディと父親とのかけ合い漫才の面白さもプラスされています。ただ、レイダースと比べて活劇の面白さという点は落ちると思います。むしろ説明的口調というか、なぞなぞゲーム的な箇所が目に付きました。(特に聖杯を入手するまでの手順など。)ああいうのを映画でやられると非常に違和感があるのですが。 | ★★★★★★ |
ダイ・ハード | 派手なアクションシーンが目立ちますが、それらは咄嗟の機転から生み出されたものでしたので、非常に現実感がありました。マクレーンがそんなにカッコよくないところや事件に巻き込まれたことに対して泣き言を言うのも好きですねぇ。(2以降はマクレーンがカッコよくなりすぎです。) | ★★★★★★ |
ラストエンペラー | こういう歴史上の人物の伝記物はつまらない展開になりがちなのですが、そうはならず、人間くさい物語になっていると思います。それにしてもベルトルッチはうまいと思います。コオロギにはやられました。 | ★★★★★★ |
アマデウス | これぞ映画!っていう感じです。人間的には「×」だけど天賦の才を持った人と、人間的には尊敬され努力もするけど才能は「△」という人とを比べてみても、いつまで経っても答えは出ないでしょう。人間社会の永遠のテーマです。唯一つ言えることは、天才は後世に名を残すけど凡才は残さない。でも凡才は秩序正しい人間社会を構築することによって天才を生み出す素地を作る。 | ★★★★★★ |
ターミネーター | 文句なしの1級品娯楽作。ターミネーターの冷酷非情ぶりには感動すら覚えます。最初の素っ裸の登場シーンが私はお気に入りです。ですが・・・、どう考えてもニワトリとタマゴの順番に矛盾があると思いません?作品の面白さに対する評価には影響しませんが。 | ★★★★★★ |
普通の人々 | 作りは地味で小品ながらそこに込められた内容は重い。母親のイライラ感もよく理解できるし、次男が屈折していく心理過程も納得。それにもまして、板ばさみの状態でなかなか家族の不和を主導的に解決できない父親の姿はまるでどこかの国を見ているよう。レッドフォードに脱帽です。 | ★★★★★★ |
スター・ウォーズ 帝国の逆襲 | ダースベイダーの圧倒的な存在感が際立っています。そして最後に明かされる衝撃の事実はエピソード6への期待感を大いに膨らませてくれました。ヨーダも登場しますし、ハン・ソロの活躍も見逃せません。前作と並んでシリーズ中、一番面白い作品だと思います。 | ★★★★★★ |
太陽を盗んだ男 | 演技はイマイチだけどジュリーはこのニヒリストの役に合ってました。使用済燃料を盗み出した後、ウキウキとプルトニウムを精製する姿が特にいい。また、警察に要求する内容がいかにもしょぼいのも皮肉が利いてました。こんなエネルギッシュな日本映画があったなんて驚きです。ただ、ラストの派手なアクションは子供だましっぽいのが残念。 | ★★★★★★ |
エイリアン | これは怖いですねえ。初めて見たのはTVの深夜映画でしたがいったい何度チャンネルを変えようと思ったことか・・・。一人、コタツの中で心臓をバクバクさせながら観ていました。で、面白かったのはラストシーン。宇宙時代にもなるとさすがにアメリカでもお祈りの対象は「イエス様」じゃないんですね。 | ★★★★★★ |
スター・ウォーズ | 前半のややたるい感じとラストのあっけなさが物足りませんが、全体を通してみればストーリー展開はスピード感があったし、今でこそ当たり前になったものの当時としては破格に画期的な特撮など見所は尽きません。C-3POとR2-D2ほど日本人に親しまれたロボットは鉄腕アトム以来ではないでしょうか。 | ★★★★★★ |
タクシードライバー | 社会の恐ろしい局面を見せつけてくれる映画です。トラヴィスの行為こそが反社会的で狂気に満ちたものであるにもかかわらず、たまたまそれが一般の人々から「善」とみなされてしまう社会の危うさがよく描かれていると思います。この後、トラヴィスが本当の意味で「善人」になると考える人はいないでしょう。あくまで彼の本質は「狂人」です。 | ★★★★★★ |
ジョーズ | 最初に観たのは小学生の時。衝撃でしたねえ。今見てもその衝撃は変わりません。また、なかなかサメが姿を現さないのは「激突!」に似ていて怖さが時間を追うごとにどんどん膨らんでいきます。サメ退治の3人組もいい組合せでした。。 | ★★★★★★ |
エクソシスト | オカルト映画の最高峰。数々の恐ろしい名場面が随所に散りばめられていますが、一番恐ろしかったのは神父の心の弱さに付け入る悪魔の狡猾さでした。でもこれも見方を変えれば、人の心の弱さこそが悪魔なのかもしれません。単なるオカルト現象だけではなく、神父の心の葛藤をも描いている点でこの映画は他と一線を画しています。 | ★★★★★★ |
ペーパー・ムーン | | ★★★★★★ |
ポセイドン・アドベンチャー | 小学生の頃、日曜洋画劇場(?)で初めて観ました。登場人物それぞれの想いがそれぞれにしっかり描かれていて、1人1人に感情移入していたのを憶えています。でも何よりも「ただ祈っていても何にもならない。自分のベストを尽くすことが神への祈りなんだ。」という神父の言葉に影響を受け、すっかり無神論者になってしまいました。 | ★★★★★★ |
ゴッドファーザー | 冗長とも思える結婚式シーンとか、長男が蜂の巣にされる凄惨なシーンとか、どれも印象的なものばかりですが、一番よかったのはレストランでの報復シーンです。トイレから戻って実行するまでの緊張感はたまらなく秀逸です。でも★6個にするのは、ひとえにpartUとの比較の問題です。あまりにpartUが素晴らしすぎます。 | ★★★★★★ |
ひまわり | ストーリーは単純ですが2人の名優によって強烈に胸を打つ作品になりました。ヨーロッパに旅行に行って、ターミナル式の駅のホームに立つたびにこの映画のことを思い出して涙がこみ上げてきます。こらえてもこらえても喉の奥から突き上げてくるジョバンナの嗚咽と太陽のように咲き誇るひまわりとの対比があまりにも残酷です。 | ★★★★★★ |
猿の惑星 | 間違いなくSF映画の傑作の1つです。CGやメイクはたいしたことありませんが(68年の映画なので当たり前)、ラストの衝撃の大きさは他に比較するものがありません。 | ★★★★★★ |
冒険者たち | | ★★★★★★ |
俺たちに明日はない | コンビニで物を買うかのように幼稚な発想で凶悪事件をいとも簡単に罪悪感なくやってのけるボニーとクライド。そして、その報いは「蜂の巣」銃撃。これにはしびれました。クライドはようやく「できる」ようになったばかりだというのに・・・。この辺も彼らに感情移入しやすいんでしょうかね。アメリカン・ニュー・シネマと言われる中ではピカイチだと思います。 | ★★★★★★ |
男と女 | いかにもフランス映画らしいちょっとほろ苦い大人の恋の物語。つらい過去を持つ2人の少しぎこちないラブシーンがリアルでいいですねえ。また、アヌーク・エーメはこの映画のときが一番魅力的だと思います。ただ、登場人物の設定にややリアリティのないのが残念。 | ★★★★★★ |
アラビアのロレンス | スケールが大きいのに人間・ロレンスが繊細に描かれています。そして砂漠のシーンがあまりにも美しいです。砂漠の向こうにポツンと見える黒い点がだんだん大きくなって○○○だとわかるシーンなんて最高。「ダマスカス」という街の名前もこの映画を観た人は絶対に忘れないでしょう。なお、男ばっかりの映画だったからでしょうか、ロレンスにホモの匂いを感じましたが気のせい? | ★★★★★★ |
かくも長き不在 | 感情表現をギリギリまで抑えた演技が余計に涙を誘います。反戦を声高に叫ぶでもなく、不幸な人生に涙するわけでもなく、1組の男女の物語を淡々と描いているところがすばらしいです。嫌味な対応をする国ですけど、やっぱり大人の国ですよね、フランスって。 | ★★★★★★ |
ベン・ハー | 宗教色が出過ぎた場面がありますので、私のようにそういう箇所が気になる人もいるでしょう。でも、奴隷としてガレー船の漕ぎ手にさせられている場面や戦車レースの場面などはとても迫力があって、スペクタクル映画として申し分ない出来です。人命尊重の意識が高まった今となってはあんなに危険で荒々しいスタント撮影はもはや不可能ではないでしょうか? | ★★★★★★ |
ダイヤルMを廻せ! | ヒッチコックの作品の中でも最も好きな作品の1つ。グレース・ケリーも美しいし、殺害シーンの緊迫感もいいです。そして何より、カメラはほとんど部屋から出てないのに部屋の外も含めた状況を観る側に理解させるカメラワークと脚本には脱帽ですね。ラストもヒッチらしく、スットンとあっけなく終わるところも好きです。 | ★★★★★★ |
道 | ザンパノは決して悪人ではありません。自分の心を素直に表に出すのが苦手な人なのです。哀れなほどに人生に不器用なだけです。ジェルソミーナは自分の生涯を懸けてザンパノに素直に生きることの大切さを教えたように思います。ザンパノの慟哭はまさにその表れではないでしょうか。 | ★★★★★★ |
七人の侍 | 2時間をゆうに超える長編映画ですが、時間のたつのを忘れてしまうほどスピーディで中身の濃い作品です。1人1人の登場人物の性格描写も見事です。ラストで「勝ったのは百姓だ。」という落ちも効いてます。 | ★★★★★★ |
風と共に去りぬ | 小説自体が素晴らしい出来ですが、その良さを損なわないよう映画が作られています。それもこれも、ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルというキャスティングがなせる業でしょう。自分が小説を読んで思い描いていたスカーレットとヴィヴィアン・リーは完璧に同一でした。 | ★★★★★★ |
街の灯 | 自分が思っている「チャップリンの良さ」が素直に出た作品。風刺やイデオロギーではなく、人の心を優しい目で描いてくれました。サイレントなのに登場人物の考えていることが観ている側に100%伝わる演出にも驚かされます。また、花売り娘のラストの一言に涙しない人はいないんじゃないでしょうか。 | ★★★★★★ |
八月のクリスマス | ドンパチもなく、ギトギトの不倫もなく、近親相姦的ハラハラもない、実に淡々と普通の人の生活の一部を切り取った佳品です。知り合ってから、お互いが惹かれていく過程が丁寧に描かれていてとてもリアリティを感じました。(そうなんですよねえ、普通はそんな劇的な出会いなんかないんですよねえ。)それにしてもタリム役のシム・ウナの自然な笑顔が魅力的でした。 | ★★★★★ |
シックス・センス | 完全にやられました。登場人物の立場になって映画を観ていたので全く気付きませんでした。おどろおどろしいイメージを持たれがちな映画ですが、実はハートウォーミングな愛の映画です。 | ★★★★★ |
シュリ | ストーリーは陳腐。編集も雑でへたくそ。役者もかなり大根。でもスピード感は抜群で、画面から目が離せない。ラストの「I dream of you...」の歌と余韻はTVではわかりません。是非、映画館もしくはレンタルで。 | ★★★★★ |
スター・ウォーズ エピソード1 ファント ・・ | 出来はさほどではありませんが、川の源流を見に行った時のような感慨がありました。ここからあの物語が始まったのかと。前3作を観ないままこれを観たら、相当つまなかっただろうとは思いますが、合わせ技1本で★を1つ追加しました。それにしてもあのレースシーンはどうみてもベンハーの戦車レースのパクリですよねえ。 | ★★★★★ |
Shall we ダンス? | 竹中直人をはじめとするくどくて濃い演技、草刈民代の棒読みの台詞回しなどがちょっと鼻につきますが、ストーリーはとても楽しく、観ると元気が出ます。東急田園都市線の溝口駅からもああいうダンス教室が見えるんですが、この映画が公開されてから心なしか人数が増えたような気がします。 | ★★★★★ |
セブン | 最高に後味の悪い映画。ラストのパトカーの中で呆然としていたミルズ刑事の表情が印象的。アメリカ映画でもハッピーエンド以外の映画が作れるんだと感心しました。個人的には1つ1つの殺しの背景をもう少しねちっこく時間をかけて描いていたらもう1つ評価を高くしてました。 | ★★★★★ |