題名 | レビュー | 星の数 |
2001年宇宙の旅 | "映像の世紀"に作られた最高のフィルムのひとつ。人類の至宝です。まずは体験しましょう! | ★★★★★★★ |
情婦 | 脚本とキャスティングが完璧。チャールズ・ロートンの巨体の存在感は『黒い罠』のオーソン・ウェルズに匹敵する。最近「衝撃のラスト」を宣伝文句にした映画が多いが、いずれも本作の衝撃の十分の一にも満たないものばかりなのが嘆かわしい。それにしても最後のディートリッヒにはたまげた! | ★★★★★★★ |
七人の侍 | 真の娯楽映画とはこういう作品を指すのだろう。人間の"生"の躍動がフィルムに定着されている稀有な作品。映画とはモーション・ピクチャーであることを改めて痛感させてくれる偉大な作品。国はこの作品を第一級の無形文化財に指定すべきだ。 | ★★★★★★★ |
東京物語 | 普遍的な家族のドラマを、普遍的ではない手法によって至高の芸術に仕上げてしまう小津安二郎。最後の笠智衆の表情、もはや奇跡という言葉でしか表現できない。 | ★★★★★★★ |
素晴らしき哉、人生! | 「メリー・クリスマス!」を連呼しながら街を走り抜けるジミー・スチュアートを観るたびに涙が溢れ出てくる。 | ★★★★★★★ |
シャイニング | キューブリックの映像感覚と演出哲学はホラー映画でこそその真価を発揮する。ジャック・ニコルソンとシェリー・デュヴァルなんて顔そのものがすでにホラーだ。 | ★★★★★★ |
ディア・ハンター | アメリカ擁護とか他文化の歪曲描写とかいう意見をこの映画に対して言うつもりはない。結婚パーティ・シーンの圧倒的なエネルギーだけでもチミノという作家の凄さを思い知ることができる。俳優たちの素晴らしい演技、スタンリー・マイヤーズのテーマ曲、陰のある青春映画の大傑作。 | ★★★★★★ |
鳥 | じわりじわりと恐怖が増幅されていく過程がたまらなくスリリングだ。あえて物語性を放棄した点にヒッチコックの非凡さが伺える。この世界の言い知れぬ不安要素や不条理を象徴するようなラストも秀逸。 | ★★★★★★ |
千と千尋の神隠し | 宮崎駿の発想力と創造力はやはり天才的としか言いようがない。八百万の神々が集う御湯屋、という着眼点の素晴らしさにはまったく恐れ入るばかりだ。カオナシはアニメ史上に残るユニークなキャラクターだと思う。でも10歳の子に見せる映画にしては後半がちょっと難しい気もする。それにしても何故これだけ爆発的にヒットしたのだろう。普通に小品ですよ、これは(笑)。 | ★★★★★ |
12人の優しい日本人 | 日本映画はこういう粋でこじんまりした小品をこそどんどん作るべきだと思う。カリカチュアされた日本人による陪審員ごっこ。やっぱり三谷幸喜の脚本は抜群に面白い。 | ★★★★★ |
太陽がいっぱい | 殺人シーの演出が少々甘いような気もするが、文句なしに楽しめる犯罪ドラマであることは間違いない。ニーノ・ロータの甘美なメロディがいつまでも耳に残る。やはりラストのアラン・ドロンがたまらなく良い。切ない。 | ★★★★★ |
西部戦線異状なし | 原作の方が俄然面白いのだが、カチンスキー役の俳優は最高だった。最後も巧い。 | ★★★★★ |
グラディエーター | はじけ合う剣と剣、ぶつかり合う肉体と肉体、スローモションと光できらめく砂埃、コロシアムでの決闘シーンは本当に格好よい。燃える。でもドラマ部分はどうにもダルかった。キューブリックの『スパルタカス』に及ばないのはこの点に尽きる。CGもCG特有の臭みが鼻についてどうにも好きになれない | ★★★★ |
完全なる飼育 | 小島聖の肉体の存在感と表情のいやらしさだけでも一見の価値アリ。豪華な俳優陣による中途半端なポルノ映画。どうせならもっと徹底して監禁の病理と異常性を突き詰めて描いて欲しかった。 | ★★★ |
御法度 | 大島渚久々の新作ということで、大いに期待していたが、見事に肩透かしをくってしまった。映像や演出はさすがの貫禄だが、如何せん物語があまりにも面白味に欠けている。キャスティングも奇をてらいすぎていて首を傾げたくなるものがある(ただ武田真治の沖田総司は良い味を出していた)。男だらけの組織(集団)の中でホモが発生するのは至極自然な成り行きなのかもしれない。刑務所の囚人みたいなものか。(笑) | ★★★ |