題名 | レビュー | 星の数 |
ヒート | 随分と語り草にされている12分間の銃撃戦だが、確かにリアリスティックな雰囲気の漂う、こだわりの1シーンに仕上がっている。ただそこで盛り上がった分、その後の展開が間延びした印象を受けた。全体として観ても話の展開が複雑に絡みすぎている感じで、もう少しすっきりとまとめて欲しかったように思う。売りであるパチーノとデ・ニーロの競演も殆どがカットのつなぎなのは、……やっぱり仲が悪かったから? | ★★★★ |
ザ・フライ | 一緒に観ていたSFホラーマニアの友人が自分の目の前で号泣した“泣けるホラー”。自分はそこまで感極まらなかったけれど、確かにあのラストには何かこう、ぐっと込み上げる物があったと思う(人によるが)。でももう一度観たいかと言われると、ちょっと……ねぇ。 | ★★★★ |
サスペリア | 怖さに先立ってやや古臭さを感じてしまうのは時代のせいだろうか。何だか『ローズマリーの赤ちゃん』を彷彿とさせる話だが(影響とか受けているのかどうか、ちょっと気になる)、クライマックスの展開は個人的にあちらよりも好み。ゴブリンによる音楽や原色を生かした美術がなかなかの頑張りを見せているので、ストーリー云々より雰囲気で楽しんでしまうのが吉かもしれない。 | ★★★★ |
アニー・ホール | 少々理屈っぽいような気もするが、ウィットに富んだ会話とはこういうものを言うのだろう。もし自分のクラスメートだったらアレン氏はあまり友達にしたくないタイプだが、こういう笑いは嫌いじゃない。冒頭の回想場面も可笑しかったし。ただ各場面が短すぎるのは、人物間の交流をじっくりと観たい自分にとってあまり好きになれなかった。じっくりしすぎても退屈だけれど。 | ★★★★ |
隠し砦の三悪人 | 確かに『スター・ウォーズ』。小悪党だが憎めない百姓二人の掛け合いが愉快。雪姫も黒澤お得意の強い女性に描かれていてカッコいい。さぞ痛快な冒険活劇だろうと期待していたのだが、どうもテンポに欠けていて眠くなった。肝心の槍の決闘も、その発生がやや強引な気がする。この作品より桁違いに長いはずの『七人の侍』の方が、自分としては全然退屈しなかったのだが…。 | ★★★★ |
ソードフィッシュ | 通称・回る爆発や空飛ぶ○○など、とにかく要所要所のインパクトで勝負!という最近のハリウッドの悪癖が随所に表れている一本(冒頭でトラヴォが言及してるというのに…)。一応善玉らしいジャックマンが魅力に乏しく、裏主役のトラヴォルタも他作品の悪ぶりに比べるとインパクトに欠ける。もう一度観たい、と思わせる点はストーリーの伏線ぐらいだろうか。ちょっとこじつけ臭くて苦しいが。 | ★★★ |
パルプ・フィクション | タラ作品は嫌いでないつもりだが、一般に認知されている代表作であるところの本作とは若干相性が悪いらしい。レザボアでは暴力表現にも幾分の説得力があったが、本作のそれは意味があるのか微妙でどうにも居心地が悪かった。ストーリー面でも特に訴えかけてくるものがなく、あまり好きになれない。ただ時系列の解体というアイディアは革新的だったと思うし、曲のセンスも○。純粋なパルプ物を目指したというのなら成功かも。 | ★★★ |
裸のランチ | ゴキが大嫌いな自分にとっては本来スルーするべきだったのだが、怖いもの見たさやクローネンバーグ印につられて、つい……。何だかまともな人やモノが全然出てきませんなー。あまりの醜悪っぷりに2点つけちゃろうかい!とも思ったけれど、ゴキ型タイプライターやウィリアム・テルごっこがちょっと面白かったので1点プラス。よかったね(何が)。 | ★★★ |
男たちの挽歌 II | 前作より数倍派手になったことは認めるが、無理のある後日談や統一性にかける構成など、明らかにドラマ面で弱体化しているので減点。個々のエピソード自体は悪い出来ではないのにそれをいまいち消化しきれてないのが惜しい。とにかくバリバリのアクションを楽しみたいという人には良いかも。 | ★★★ |
地獄の黙示録 | 戦火の中、謎の王国を目指して旅をするという話なので戦争映画というよりはロード・ムービーという印象が強い。それはそれで良いかもしれないが、ただでさえ中だるみの感が拭えなかったのにさらに長くなってしまった特別完全版は正直苦行でした。冒頭のナパーム・モーニングは結構良かったのに……。 | ★★★ |
2001年宇宙の旅 | 「映像」、「哲学」、そして「睡眠」。この映画のレビューにおける必出単語。映画が文字通り“画を映す”ためのものならば、確かに本作の右に出るものは無い。だが劇映画という観点から見た場合、これほど人と人とのドラマ性が希薄な作品も無いというのも事実(壮大な宇宙を前にすれば人間の存在など矮小ということか?)。平均して4点にしたいところだが、どう考えても“普通”ではないので自分の感覚に従った上で1点引いた。 | ★★★ |
トロイ | どう考えても太陽が西から昇っているのって史劇?それともファンタジー?なんかブラピのお母さんが女神様っぽいんで一応魔法の世界なんでしょうねー、きっと。O・ブルーム扮するへたれ王子(愛のためです!)を始めとする魅力の乏しい人々に加え、一見凄そうに見えて盛り上がりに欠ける展開が盛りだくさんの一本。これのDVD、もしタダでもらってもあんまし嬉しくないなぁ……。 | ★★ |
パールハーバー | どんなにひどい作品でも“映画”として最低限の形がとれている限り、自分としてはできるだけ1点は付けない方針です(付けたくなるのは『死霊の盆踊り』とか『ロボ道士』とか、そこら辺の水準。幸いこのサイトでそういった輩が浮上してくることはなさそう)。ジョン・ボイトの大統領が何となく「総統!歩けますっ」を思い出させてくれました。いいトコは……そこぐらいかな。 | ★★ |
イレイザーヘッド | 娯楽性を切り捨て、思い切り芸術志向を目指したというのは分かる。だが芸術らしき何かを表現したいがために、観る人によっては苦いトラウマが植え付けられるような描写を盛り込む必然性が果たしてあるのだろうか?笑い飛ばしながら観ようと思っても、この映画に関してはどうにも心の底から笑えなかった。 | ★★ |