題名 | レビュー | 星の数 |
ある日どこかで | C.リーヴが亡くなった。一般的にはあのスーパーマンが‥となるのだろうが、自分にとっては、より以上に、本作のリチャードが‥の思いが強い。「映画史上最も美しいラブストーリー」と言われたこの作品、シーモアの人生最高の一瞬を切り取ったあの写真と、1912年ですら時代遅れと笑われたリーヴの、そのスーツの色合いからか、不思議なことにセピアの色をして、自分の心の奥深くに、J.バリーの音楽と共にある。心より合掌。 | ★★★★★★★ |
小さな恋のメロディ | 永遠の名作と呼ばれる作品にも、やはり「旬」はあると思う。この作品をローティーンの時に、リアルタイムで体験できたのは人生においての宝物。A・パーカー以外のスタッフ、キャストのその後の活躍を鑑みた時、全員の才能が、あの時代、あの一瞬に集約されて光り輝いたような、まさに「奇跡の映画」ではないだろうか。映像技術は日々進化するけれど、この作品ほどシンプルでピュアな作品は、もう二度ど作ることは出来ないだろう | ★★★★★★★ |
ファインディング・ニモ | 「ファイナル・ファンタジー」が反面教師になったのだろうか、近頃のフルCGアニメには、ある回帰現象が見られるように思う。それは、「登場人物の漫画化」とでもいえばいいのだろうか、一時はリアルさを目指していた人間たちが、個性のある愛すべきキャラクターに変わってきたのである。それはこの作品の「あの娘を見ればわかること」。しかしこの作品、主人公が鰹とか鮪だったとしたら、ニッポンでは公開が難しかったりして。 | ★★★★★★ |
猿の惑星 | 何といってもラストである。その衝撃は、その後の作品に影響を与えたというよりも、トラウマとして、いまだ支配し続けているほどの強烈さだった。公開当時子供だった自分同様、映画の世界ではまだ「キワモノ」扱いだったSFは、一般的にも解されることは難しく、今ならばある程度予測できたであろうオチも、伝説となった特殊メークなどに、見る人皆圧倒され、考える余地を与えてもらえなかった。エポック・メイキング的な傑作。 | ★★★★★★ |
パッション | 永遠のベストセラー「聖書」の読者、熱心な信者の方々には、登場人物のひとりひとりに、またその一挙手一投足に目が離せず、心奪われ、魂揺すぶられたことだろうが、門外漢の自分には、やはりどこか他人事。というよりも、ハラキリ日本人には、キリストの受難が、僅かばかりは理解できるのではないか、そんな気がした。個人的には、いろいろなシーンで、前作「ブレイブハート」の匂いが感じられ納得の出来上がり。 | ★★★★★ |
ブラザーフッド | その場に居なければ分からないことがある。無論この映画を観て、その場に居たいなどと思う人がいるはずもないが、儒教の国韓国の、1950年当時の軍隊に居て、主役の兄弟ふたり、何だかやりたい放題なのである。冒頭の列車のシーンからしてそうだった。リアルすぎる戦闘シーンがかえって、「こんなことして大丈夫なの」という疑問を際立たせ、結局最後まで、話に没頭させてはくれなかった。しかし、韓国の人の心境如何ばかりか | ★★★★★ |
トロイ | 名を残すことに固執し、死ぬことに執着するアキレスは、己の美貌をどこか疎んじているようなブラピに、かなりのハマリ役に思えた。歴史上最高のバカップルの、もっと能天気な愛の囁きと、ただ理不尽に死んでゆく一兵卒の対比がより多く描かれていれば、もっと話しに厚みが出たのかもしれないが、やはり時間的にも無理だったのかも。登場人物中、唯一の常識人を演じたE.バナは、主演作品の「ハルク」より、数段高得点をGET! | ★★★★★ |
ビッグ・フィッシュ | | ★★★★★ |
ミスティック・リバー | S.ペンはどことなくドラキュラの匂いがする。K.ベーコンは狼男が似合いそうだ。T,ロビンスは言うまでもない‥。米映画界の三大モンスターとでも呼べそうな、脂の乗り切った曲者役者三人を、束ねて操れるなんて芸当が出来るのは、ハリウッドのヴァン・ヘルシング、イーストウッドくらいのものだろう。私情を持ち込まず、達観したような語り口調で、見た者の心に問いただすその卓越した演出法は本作でも健在。う〜ん、恐るべし。 | ★★★★★ |
デイ・アフター・トゥモロー | あんたはW.アレンか‥N.Yフェチ、エミリッヒ監督の「世界の中心N.Y.で、さけぶ」シリーズの最新作。どうもこの監督、N.Y.以外の都市に執着がないのか、地球的規模の天変地異をピーポイントでしか見せない為、スケール感に欠けてしまった。さして深刻でもない親子の確執を物語の核に据えてしまったことで、地球環境を自分たちの問題として捉えなければならなかった観客に、よその世界の他人事と思わせてしまったようだ。 | ★★★★ |
ゴシカ | | ★★★ |
CUTIE HONEY キューティーハニー | 脳みそがセル化したのか庵野監督。ミュージックビデオあたりなら面白いかもしれないハニメーションも、お金を出して劇場で見る「一般の人」は納得させられなかったようだ。アニメ大国といわれる日本の人口1億3千万。しかし、コアなファンは極一部だということを早く悟って欲しい。もっともライバル?「CASSHEAN」よりは、まるで地のようなサトエリの能天気さと、画面のカラフルさで遥かに楽しめた。彼女のファンには傑作かも | ★★ |
CASSHERN | 闊達かつ、端的にできる話を、小声でくどくど哲学されているような感じを受けた。勿論それはストーリーや脚本のことではなく、映像も含めた映画自体の語り口のことなのだが、映像センスは認めるとして、10分程のプロモならともかく、この語り口調で2時間強はあまりに辛い。この1作で紀里谷和明は、最も観客の呼べない監督になってしまったのは?また個人的に、少しばかり目を病んでる自分には、まさに「目に毒」な作品だった。 | ★ |
ファイナルファンタジー | 劇場で、ここまで空しく、そして見ているだけで、その映画自体に怒りを覚えた作品は記憶にない。まったく「心」がないのである。TVゲームの問題点と毒性を吐き出したと言えばいいのだろうか、同時期に製作された「モンスターズ・インク」や「シュレック」よりも技術的には上といわれながらも、その「魂」には雲泥の差があった。同じ「映像もの」だからと映画を舐めてかかったのだろうか、技術屋の腕自慢コンテストのような作品 | ★ |