題名 | レビュー | 星の数 |
ダンサー・イン・ザ・ダーク | 最後の瞬間、人にとっての時間は静止する、だから最後に幸せならば、それは永遠になる。という考えもあるかなぁ、と思った事があります。かなり覚悟して観ましたが、『奇跡の海』ほどエグくなく、カメラアングルによって、現実と空想を分けて現す手法や、ビョークの起用も成功してと思います。ラストに救いはあると思いました。“最後から2番目の歌”は解り易くする為のキーワードなんじゃないかと・・・。 | ★★★★★★★ |
グラディエーター | ひたすら映像に圧倒された。大画面で見ないと駄目かも。歴史に詳しくない分、皇帝が絶対ではないローマの政情を面白く見れました。ホアキン・フェニックスの嫉妬振りが何とも良かった。 | ★★★★★★★ |
救命士 | 疑問の残るラストはタクシードライバー同様。人にとっての救済が何であるかを問う良作だと思う。スコセッシの演出も器用になりましたね。 | ★★★★★★★ |
インサイダー | 地味で損している作品。マン監督には期待してなかったけど「ヒート」のようなイマイチ感は無く、長時間でも緊張が維持されていた。嘘臭く無い正義感が良かったのだけれど、これが実話だったとはかなり驚き、そう言えは実名使いまくっていたなぁ。 | ★★★★★★★ |
ファイトクラブ | 現代の消費社会に向けた大傑作。物欲にまみれた自分はこれを見てかなり打ちのめされた。このテーマだけでも作品の価値は絶大だと思う。 | ★★★★★★★ |
マグノリア | この若さでこれ程の人物描写、監督凄過ぎます。ラストの奇跡は「このくらいの事あっても良いじゃないか」といった優しさだと思う。 | ★★★★★★★ |
シン・レッド・ライン | 戦争と云う特殊な状況を、一つの世界と見立てているようでした。この映画の場合、自然も、戦争と対極し、尚かつ隣り合わせの一つの世界で、何時でも手が届きそうな存在に描かれています。しかし、人は自ら戦争に囚われ、抜け出せない。その哀れさ、不条理さを切々を訴えているような気がしました。戦争を否定しているのでは無く、戦争をする人間に対して疑問を投げかけているような感じです。 | ★★★★★★★ |
ロック、ストック&トゥー・スモーキング ・・ | 痛快!とにかく笑えるし、イカレ加減が最高。でも僕はその半分くらいしか楽しめなかったかも、特に音楽はマニアックらしく、映画、洋楽に精通してないと判らない個所が幾つもあるみたい。判ったのは「夕陽のガンマン」のパロディくらいか(オルゴールのメロディ)、それでもこの評価。 | ★★★★★★★ |
イル・ポスティーノ | 大きな見せ場も、泣かせる場面も少なかったけれど、観終わった後から次第にじんわりと・・・。マリオの短い人生の輝ける瞬間、その素晴らしさが誇張なく表現されていて、格調の高さを感じました。 | ★★★★★★★ |
セブン | 原罪から逃れられない人間。結局K.スペイシーが勝利者になる事で非常に大きな問題提起をしている。フィンチャー監督は脚本が良いと、傑作に仕上げる。職業監督なんですかね。 | ★★★★★★★ |
パルプ・フィクション | タランティーノの最高傑作。運、不運に振り回されるそれぞれのエピソードも、ラストのサミュエルLジャクソンの台詞の為にあるのだろう。娯楽の要素を多分に持ちながら、実は志の高いテーマがあった!?しかもああいう形で持って行くなんてカッコ良すぎる。 | ★★★★★★★ |
許されざる者 | 映像の美しさ、詩情、一般的な善悪では語らない部分が非常に良かった。DVDマスターあんまり良くなくて残念。 | ★★★★★★★ |
フィッシャー・キング | ユーモアと、優しさに溢れた感動作。ストーリーもファンタジックな演出も良かった。 | ★★★★★★★ |
ミッション | この映画には色々悩まされました。ある意味究極の選択を問い掛けている訳なんですが、未だに自分の中で解決出来ないでいます。ラストの生き残ったインディオの子供達が船を出すシーン、そして総督(だったか?)の最後のナレーションに込められたメッセージには心を揺さぶられました。 | ★★★★★★★ |
天空の城ラピュタ | これぞ冒険活劇、と思わせるスピーディーな展開とダイナミックな演出。最高の娯楽作品 | ★★★★★★★ |
未来世紀ブラジル | 未来的ではあっても、別段未来を描こうとはしていない作品。しかし、機械や論理の進みすぎ、人間的な配慮の欠けた社会への警鐘をユニークな形で表現した傑作だと思う。主人公の境目の無い現実と妄想は、人にとっては例え妄想でも、自身がリアルに感じている事が全てで現実でもある、と暗に提示しているのではないか?とすれば悲劇に思えるラストも納得がいく。 | ★★★★★★★ |
アマデウス | 実際のモーツァルトは真面目だったという説も・・・。しかし時代物の異色サスペンスとして非常に面白かったし、クラシック音楽好きも納得できる内容。セットや衣装も良かった。特に音楽が、と言ってもモーツァルトなら当然か、いや使い方が絶妙でした。レクイエムやドンジョヴァンニはかなり後半を盛り上げてましたね。 | ★★★★★★★ |
ガンジー | 一人の人間の行動と知恵が、インドという巨大な国家を変えていく様は、痛快でさえある。ガンジーの道徳的な人間像より、政治手腕の見事さが描かれている点が、面白い。そのガンジーでさえ、宗教の対立を解決出来ず、挫折を覚えるラストがとても印象深い。 | ★★★★★★★ |
タクシードライバー | この作品に惹かれたのは、善悪では無く、主人公にとって一連の出来事が何であったかの方に主眼が置かれていた点。喪失状態にあった主人公が、狂気の行動、身勝手とも取れる少女の救出を経て、自信を取り戻す。客観的、道徳的に見れば認められない行動をしても、結果は生気に満ちた表情をしているトラヴィスと、真っ当に用心深く生きていても表情の冴えないベッツィとの対称は、善悪を超えた真実を見せているような気がする。 | ★★★★★★★ |
スティング | 滅多に無い程の絶妙のシナリオと、とにかく巧い軽妙な演出。音楽も洒落ていて、人物描写も面白い。ラストは一人で見ていても思わず拍手してしまう。傑作です。 | ★★★★★★★ |
2001年宇宙の旅 | 最近20年ぶりくらいに改めて見たけど、「SF映画の最高傑作」というのも解る。宇宙がお手軽になった、今のSF映画では感じる事が出来ない多くのものがあった。話に関しては、良く解らない、というか見たままのような気も・・・「絶対的な存在に導かれる進化」といった感じなのかなぁと?解る方いらっしゃったら教えて下さい。解ったらオカシイって?、どう云う事なんでしょうねぇ。 | ★★★★★★★ |
ベン・ハー | 数少ない何度も観た映画です。セットから衣装に至るまでスケールが大きく、主人公が辿る数奇な運命と、それを取り巻く背景や人物が魅力的に描かれていて、何時観ても傑作だと思わされます。クリスチャンを身内に持つ者から観ると、宗教色は薄く、娯楽作品に感じられますが、それでも安っぽくならないのは、人間ドラマの部分がしっかりと描かれ、様々なテーマが浮き彫りにされているからだと思います。 | ★★★★★★★ |
天井棧敷の人々 | 何にも囚われない登場人物の感情や生き方に、惹かれる。ありがちな話なのだが、役者の演技と台詞が素晴らしく、場面毎の密度が非常に濃い。有名な映画なので一応観てみよう、と思っていたのが、最後まで魅入ってしまいました。 | ★★★★★★★ |
スリー・キングス | 娯楽作品のような売り出し方だったのに・・・全然違った。真面目な映画でした。解っちゃいるつもりなんですが、アメリカの正義って何なんだろう?って再認識させられました。今また、アメリカがイラクを攻めようとしていますが、本当に大義はあるんでしょうか? | ★★★★★★ |
マン・オン・ザ・ムーン | ジム・キャリーの演技は、カウフマンのストイックさと、優しさ、徹底したエンターテイナー振りが良く顕れていて素晴らしかった。カウフマンの娯楽に対する考えが理解されなかったのと、皆さん同様フィリピンでのエピソードは哀れみを誘います。 | ★★★★★★ |
8mm | アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーの脚本が良かった。演出の弱さを訴える人もいるが、アンダーグラウンドの世界も、そこに関わる人間も特別ではなく、誰でも持ちうる要素である事を訴えるテーマは個人的に好き。セブン同様、原罪を問いかける脚本の意図は十分汲んでいると思う。 | ★★★★★★ |
スリーピー・ホロウ | カッコ良かったなぁ、レイ・パーク!映像以外のバートンらしさは剥き出しじゃ無かったけど、完成度は非常に高かったと思う。相変わらず異形、異端に対する愛着は感じましたが。 | ★★★★★★ |
シックス・センス | 最後のオチが最大の売り、でもウィリスとハーレイの救済に至るシナリオも非常に良く出来ている。僕はハーレイよりもむしろラストで奥さんに語りかけるウィリスに感動させられた。 | ★★★★★★ |
交渉人 | IQ160には?だったし、期待していた程の心理戦ではないと思った。しかし繰り返し見ていると、台詞の一つ一つに、あからさまではないが相手を探る言葉が混じっているのが判って来て面白い。実際はこういったものなのかも知れない。緊張感のある演出も、最後に近づくにつれややトーンダウンしてしまうが、十分楽しめた。 | ★★★★★★ |
ライフ・イズ・ビューティフル | 物語に無理がある、ベニーニにもベタベタ、でも負けた。苦境にあっても希望を失わず、家族を励まし続ける姿に泣いてしまった。演出も良かったと思う。 | ★★★★★★ |
プライベート・ライアン | 唯一の汚点は準備不足で浮いてしまったマッドデイモン。それ以外は例え物語として無理があっても、訴えたい事は良く理解出来た気がした。問題は何人死んだかでは無く、死をどう受け止め、いかに未来に繋いでいくか、といった事なんじゃないかな。 | ★★★★★★ |
π | アクションも事件も殆ど無いのに、緊張感と高揚がある。ストーリーに深遠さは感じなかったものの、数学的?な題材の凝ったサスペンスになっていて、印象的なカットの繰り返し、ナレーション、ドラムンベースを使っての演出と共に新鮮でした。独特のセンスは好みが分かれるところかも。 | ★★★★★★ |
運動靴と赤い金魚 | 靴が買えない苦労って、なかなか実感が湧かないもの。どうしても第三者的な立場で観てしまいます。家族の為に懸命になるアルの姿に感心しながら、生活に苦労する訳でもないのに結構不満を抱えている自分がちと恥ずかしくなりました。ドライになり続ける日本の社会とは対照的な、温かみとユーモアのある良作だと思います。最後もちゃんと救いがありました。神様は見てくれているって事なんでしょうね? | ★★★★★★ |
スターシップ・トゥルーパーズ | 娯楽一辺倒。バーホーベンだけに、グロさとバカさ全開。な感じなのだが、密かにナショナリズムを揶揄していると思うのは気のせいか? | ★★★★★★ |
フル・モンティ | ロバート・カーライルから漂う哀愁が何とも良かった。息子と別れたく無いが為に、必死になる姿が切ない。イギリス映画は社会派の良作が多いですね。 | ★★★★★★ |
CUBE | アイデアが秀逸。CUBEの罠と繋がりに人生を象徴させる発想は素晴らしい。難しく考えた故に、遠回りをしてしまったとかね・・・。残念なのは人物が典型的になり過ぎて魅力に欠ける事。作り手の「若さ」を感じてしまいます。特にラストは無垢なる者が救われるとでも言いたいのでしょうか?チョット説得力に欠けるんじゃないかなぁ。凄い傑作になる可能性があっただけに惜しい、2度は作れないでしょうしねぇ。 | ★★★★★★ |
もののけ姫 | 人と自然(人の手の入らない)の両立が不可である事を敢えて断言した勇気は評価されるべき。物語なのだからうまく両立するように収めちゃえば、一般的には感動させるし、批判も少なかったかも知れない。最後と決めた(また作ってるけど)作品だからこそなのだろう。でも、ここまでやるならもっと厳しく出来たはずだ、とも思ってしまう。 | ★★★★★★ |
L.A.コンフィデンシャル | 無難ながら、時代背景や、原作の持つ複雑さの魅力を生かした、ハードボイルドの傑作だと思う。ダニー・デビートの役割が特に効果的で、上手いなぁと唸らされました。これだけよく出来ていても、原作読んだらこっちの方が遥かに面白かった。でも、小説と映画は別ですからね、小説長いですし。 | ★★★★★★ |
トレインスポッティング | このタイプの青春映画は好きだなぁ。ダメ人間向き。ラストもすっ呆けていて良かった。 | ★★★★★★ |
ファーゴ | かなり辛かった。マズイ場面で何度か選択を誤った事のある者としては、勘弁してくれって感じです。鋭い作品だと思いますが、人間って愚かだなぁってのも、愚か者には笑えません。しかも僕の分身とも思える登場人物に対しての視点はかなり冷たい・・・。でもまとめ方も上手く、説得力のある良い映画でした。観るのはあと一回くらいかなぁ・・・・。 | ★★★★★★ |
シザーハンズ | 良くも悪くもティム・バートンの映画は監督の個性が顕れていて好きです。先ず映像、そして劣等的な存在には深い愛情が感じられ、それに対し無理解で意地悪な人々には、怒りすら感じ取れる。映画を通して監督(或いは脚本家)個人を垣間見れるのも楽しみの一つです。 | ★★★★★★ |
アビス | シンプルな人類愛に好感を持てました。ラブロマンスの海洋パニック映画より、遥かに純粋で、無理に飾っていなくて、ラストも素直に感動出来ました。深海の特撮も、孤独と不安が伝わってきて見事だったと思います。ああ、キャメロンってこういう人なんだなぁと、何と無く解ったのが一番良かったですかね。 | ★★★★★★ |
AKIRA | 映像から来る勢いは圧巻。カタルシスを伴う、加速し膨れ上がるような感覚は凄いです。でも、テーマはなんでしょうか?人間の持つ無限の可能性を追い求めているような気もしますが・・・。 | ★★★★★★ |
スタンド・バイ・ミー | 子供の頃の友情って純粋だったなぁ、と想いに耽ってしまう。今は何かと損得勘定しちゃって・・・。 | ★★★★★★ |
ジャッカルの日 | ジャッカルの冷静さ、周到さには圧倒されました。クールです。プロの仕事ってのはこうなんだなぁと。比べて『ジャッカル』は・・・・。 | ★★★★★★ |
ミツバチのささやき | 語り口が素晴らしい。少女が現実的な「死」の認識を受け入れるまでの過程が、幻想的で繊細に描かれていて、寂れた風景の映像美も良かった。他にも、人物に反映された社会背景の影響も自然に描かれていて、「内戦」の落とす暗い影をそれとなく感じさせました。ただ、日本人の男性としては、感覚的に解り難いってのはありました。ああ、そうなんだぁ、までで限界。 | ★★★★★★ |
ベニスに死す | かなり良かったのは、ダークボガートの演技。台詞が少なくても、仕草と表情で細やかな感情が伝わり、感嘆しました。自分のマーラー像とアッセンバッハとの乖離が、素直な鑑賞を邪魔しましたが、ヴィスコンティの芸術観に共感するかどうかは別として、非常に解り易い映画でした。小難しいのかと思ってたんですが、「同性愛」もそれ程感じなかったし。 | ★★★★★★ |
十二人の怒れる男 | テーマは今となっては珍しくないけど、良心に訴えかける名作。小学生の頃に見たけどこの映画は結構憶えてます。 | ★★★★★★ |
真昼の決闘 | 劇中と上映の時間の流れをほぼ一致させた構成は、周知の事ですが、時計や線路のカットや心理描写の演出も効果的で、次第に増していく緊迫感が非常に良かった。主人公のみならず、80分間に起こる町の人の心境の変化もうまく描写している事で、人間ドラマとしても優れたものになっていると思います。 | ★★★★★★ |
X-MEN | 無理に詰め込まずにこのくらいにしたのは、続編の為には良かったと思う。アクション凄いけど説明不足な作品にしたら、次はもっと酷いものにならざるを得ないだろうから。 | ★★★★★ |