評価点数:7
雨の中と雨上がりの羅生門が人間の二面性を上手く表現していおり、人間の醜さを見せ付けられる終盤までに気がめいるが、ラストシーンで一気に解消される。まさに演出の精妙。また鏡を利用した照明もモノクロならではの美しさがあり、芸術的にも素晴らしい。三船敏郎の野性味あふれる演技は圧倒的な存在感がある。しかしそれ以上に京マチ子の『怪演』は忘れえぬ印象を残す。20世紀を代表する珠玉の名作。